クリスパー(CRISPR)テクノロジー特許と特許紛争の現状
概要
u クリスパー(CRISPR)テクノロジー特許
Ø 初期のクリスパー(CRISPR)特許出願者
Ø 特許紛争
Ø その他のクリスパー(CRISPR)の世界への登場者と主要な登場者による特許出願
Ø 知財出願の特徴
u クリスパー(CRISPR)ライセンス許諾の現状と展望
Ø 公開されているライセンス情報、関係する当事者とテクノロジーの範囲
Ø ライセンス契約の戦略的考慮点
Ø クリスパー(CRISPR)のライセンス許諾を受けての使用
u クリスパー(CRISPR) 特許の特許性および侵害に影響を及ぼす主要な知財原則(セーフハーバー、 271(g)、消尽(exhaustion))
初期のクリスパー(CRISPR)特許出願者
u UCバークレー、ウィーン大学(ダウドナ(Doudna)/シャルパンティエ(Charpentier))
Ø CRISPR/Cas9、細胞型に制限されない
u MITとハーバード大学の共同組織ブロード研究所(Broad Institute of MIT and Harvard)(ザン(Zhang))
Ø CRISPR/Cas9、真核細胞(eukaryotic cell)
u Sigma Aldrich
Ø ブロード研の真核細胞についてのクリスパー(CRISPR)出願の直後に出願されたが、クレームの特許可能性の証明ができなかったが、インターフェアランスへに参加する機会は得た
u Toolgen
Ø ブロード研の真核細胞についてのクリスパー(CRISPR)出願の直前に出願されたが、クレームの特許可能性の証明ができなかったが、インターフェアランスへに参加する機会は得た
特許紛争
u ブロード研/ハーバード大学とロックフェラー大学 – 発明者紛争
– 仲裁により2018年1月解決、ブロード研のフェン・ザンだけが、真核細胞のCRISPR/Cas9に関
するIPの発明者とされる。
u UCバークレー(ダウドナ)、ウィーン大学およびシャルパンティエと、ブロード研(ザン)、MITおよびハーバード大学
– PTABと連邦巡回区控訴裁判所への提訴(PTAB審決容認、2018年9月)
§ インターフェアランスで判断すべき事実なし
u 特許性の主張は、異なる主題に関する(ブロード研のクレームは真核細胞の環境でのCRISPR-Cas9システムに制限され、UCバークレーのクレームは何らかの環境に限定されるCRISPR-Cas9システムを対象としていないので、別々の発明)
– 2019年6月PTABは、
§ USTPOの新たな事件に関する独自の発議で、新たにInterference declared (13件のブロード研特許および1件のブロード研特許出願と、10件のUCバークレーの特許出願について)インターフェアランス手続を開始すると宣言した(依然として真核細胞、しかしアクチベーターとガイドRNAは一つの分子)
u ブロード研は、エストッペル(UCバークレーは最初のインターフェアランスで真核細胞ク レームを提出できたはずだ)に基づき早期終結の申立てを行い、事件変更の申立てを行っているが、審理継続中
§ UCバークレー(ダウドナ)、ウィーン大学およびシャルパンティエと、ブロード研(ザン)、MITおよびハーバード大学
– 欧州特許異議 – UCバークレー特許
§ 2017年3月、欧州特許庁は、真核細胞および原核細胞についての、UCバークレーの広範なクリスパー(CRISPR)クレームを特許する意向を表明した
§ 5名の異議申立人が、2018年3月に異議を申し立て、現在審理中
– 欧州特許異議 - ブロード研IP
§ 異議申立人9名
§ 2018年1月 – 2013年12月に出願された、ブロード研基本特許である468号特許(真核細胞についてのクリスパー(CRISPR))は、取り下げられた。ブロード研の2012年12月の最も初期の出願には、ロックフェラー大学の発明者が含まれていたが、同人はEP出願では記載されていない。和解が成立しているもの、発明者の記載に関するEP規則によれば、ブロード研は、2012年の優先権を主張できない。その他のブロード研の分割出願も、同じ制限を受けることになる。
§ ブロード研は、書式を審査する際に不正確な審査基準が使われたことを理由に、不服を申し立てている。
§ 審尋が2020年1月に行われる。
§ Toolgen
– ブロード研IPについてインターフェアランスを申立てている
§ 優先権主張日を2012年10月とする、出願中のCRISPR-Cas9出願がある
§ 新たなインターフェアランスに参加を申し出たが、USPTOは拒絶
– ソウル国立大学からIP冒認を告発されている
– 異議継続中(EP特許は6名の異議申立人から異議申立て)
§ Sigma
– 2019年7月、Sigmaは、UCバークレー/ウィーン大学/シャルパンティエのIP
についてインターフェアランスを申立てている
– 新たなインターフェアランスに参加を申し出たが、USPTOは拒絶
UCバークレー、ブロード研そして Sigma のIPの相互関係
From https://www.patentdocs.org/2019/07/sigma-aldrich-wants-its-piece-of-crispr-pie.html
初期の登場者からスピンアウトした企業
§ Caribou Biosciences、Intellia Therapeutics (ダウドナ)
§ CRISPR Therapeutics、ERS Genomics、Casebia Therapeutics (シャルパンティエ)
§ Editas Medicine (Massachusetts General Hospital (MGH)、ブロード研 (MITとハーバード、およびデューク大学)
米国での出願活動(続き)
§ Vilnius
– US 16/148,783 – 現在のクレームでは「crRNAをターゲットDNA分子に … サイト特定的に結合するよう設計する」必要があるとされている。
§ Toolgen
– US 14/685,568 – Cullen博士のダウドナ(Doudna)/ジネク(Jinek)に対する132宣言書
– US 14/685,510 – 反論主意書が提出されている
§ MilliporeSigma
– Track & RCE in 15/188,911; 15/188,924; /927/931 15/456,204?
§ Cannon博士のダウドナ(Doudna)に対する132宣言書
§ 当該131宣言書によってToolgenに対抗できたかは不明
特許プール
§ DowDupont は(ブロード研と共同で)、農業分野での非独占的ライセンスのための特許プールを組成、なおUCバークレー、シャルパンティエおよびウィーン大学のIPにもアクセスできる
§ クリスパー(CRISPR)真核細胞研究利用限定の、Sigma/ブロード研プ ー ル ( 参 照 、 https://www.sigmaaldrich.com/technical- documents/articles/biology/crispr-use-license-agreement.html)
§ MPEG-LA (特許プールライセンス許諾機関)
クリスパー(CRISPR)特許出願の特徴
§ 手続上の特徴
– 早期審査(Accelerated examination methods)
– 攻撃的な出願戦略(多数および範囲の広い)
– 地理的に広範囲
§ 技術面での特徴
– 出願はクリスパー(CRISPR)システムの全側面を包含(分子成分、用途/適用、メカニズム)
– 第二世代のクリスパー(CRISPR)ゲノム編集ツール – 例: modified Cas9、Cpf1 (Cas12a)
– クリスパー(CRISPR)テクノロジーの他分野での適用(例: ゲノム編集に限られない) – ターゲット遺伝子の選択的活性化/抑制、DNAおよびRNAの特定の領域の精製、等。
ライセンサー
§ ブロード研およびUCバークレー/ウィーン大学により直接的なライセンスに加 えて、スピンアウト企業/仲介企業(例:Editas、Intellia、CRISPR Therapeutics、Caribou、ERS Genomics)を通じてサブライセンスが許諾されている
§ スピンアウト企業の数社は、あらゆる分野において独占的ライセンスを保有しているか(例:Caribou)、またはヒト治療分野で広範なライセンスを保有している(例:Editas)。
§ ヴィリニュス大学(米国発行特許、DuPontと共同研究、Caribou および Intellia
とクロスライセンス)
§ Toolgen(早い優先権主張日、米国以外の特許、ThermoFisherにライセンス)
クリスパー(CRISPR)ライセンス許諾戦略
§ セーフハーバー条項が、何をライセンスするか、また何時ライセンスするかの問題に、どのような影響を及ぼすか(最も基本的なクリスパー(CRISPR) クレームは、編集方法または遺伝子複製中間体に関係する)
§ 271(g) は、何をライセンスするかの問題に、どのような影響を及ぼすか
§ 消尽(exhaustion)は、何をライセンスするかの問題にどのような影響を及ぼすか
クリスパー(CRISPR)ライセンスを許諾するに当たっての検討点
§ 実施分野の問題は、どの特許権者が、ライセンス許諾の協議を行うに当たって最も適格であるかに影響を及ぼす可能性がある
§ 研究 v. 商業利用
§ 農業 v. 治療
§ 真核細胞 v. 非真核細胞
クリスパー(CRISPR)ライセンス許諾を受けての使用(リサーチツール)
§ Sigma/ブロード研のリサーチ利用ライセンス標準条項
– 実施許諾「分野」 - リサーチツールとしてリサーチ目的で利用すること。しかしながら、前記にかかわらず、本件分野からは、(a) これらに限られないが、ヒトへの投与または何らかの診断もしくは予後予知での使用を含め、いかなる in vivo および ex vivo のヒトまたは治験での使用、(b) いかなる in vivo の獣医学もしくは 家畜への使用、または研究以外での農業用利用、または (c) ヒトまたは動物の健康診断サービス、治療もしくは診断に、またはそれらために、製造、販売、輸入、輸出、運送、売買、売買の申し出、営業、販売促進また はその他の利用もしくは使用に供することは、明示的に排除されるものとす る。
– 実施許諾されない「商用目的」とは、(a) なんらかの方法、措置もしくはサービスの行為、履行もしくは提供、または (b) なんらかの製品の製造、売買、使用、販売、処分もしくは輸入であって、(a) または (b) の各場合とも、対価を得て、例えば料金、またはその他いずれかの商用ベースで行われることを意味する。
クリスパー(CRISPR)商用ライセンス許諾に当たっての検討点
§ 先駆的な発明の場合は、実施許諾主題を定義しておくこと
– 「実施許諾製品」(特許クレームに実際に包含されているもの)
– 「実施化製品(Enabled Products)」(範囲がより広がる –
特許の実施から導出されるもの)
§ 例:以下の Editas のライセンス契約、参照https://www.lawinsider.com/contracts/2vXRd0SvSLXwUP e754fQFX/editas-medicine-inc/massachusetts/2016-01- 25
セーフハーバー/試験目的での使用
§ 35 U.S.C. § 271(e)(1) は「セーフハーバー」条項として知られている。
– 医薬品または動物用生物学的製剤の製造、使用、または販売を規制する連邦法に基づく情報の開発および提出にもっぱら合理的に関連する使用のために … 特許発明を作成、使用、 … 販売することは、侵害行為とはならないものとする。
– FDAに情報を提出するために行われる様々な「行為」を、権利侵害から除外。
– 最近の諸判例は、このセーフハーバー条項の範囲内(および範囲外)に該当する活動範囲を画定するのに役立つ
初期のセーフハーバー判例
§ Eli Lilly & Co. v. Medtronic, Inc., 496 U.S. 661 (1990):市販前承認を売るために医療機器をテストすることは、セーフハーバー内に該当
§ Abtox, Inc. v. Exiron Corp., 122 F.3d 1019, 1027 (Fed. Cir. 1997):「活動が合理的にFDA承認に関連している限りは、[当事者の]意図または代替的な使用は、第271(e)(1) 条の適用除外を発動する地位を認めるにあたって関連しない。」
§ Merck KGAA v. Integra Lifesciences I, Ltd., 545 U.S. 193 (2005):いかなる医薬品の申請も行われなかった医薬員の前臨床試験を実施するときにも、セーフハーバーは適用される。
§ Proveris Scientific Corp. v. Innovasystems, Inc., 536 F.3d 1256 (Fed. Cir. 2008):規制当局への申請資料を作成するために使用される機械類の販売へのセーフハーバー抗弁を拒絶。リサーチツールまたは機器は、それ自体は規制当局の審査対象ではない。
新薬承認前に関するセーフハーバー
§ Merck v. Integra (連邦最高裁判決)
– 中心的な問題 – 「目的製品(lead product)」が存在するか?
§ 特許製品の使用が目的製品に関係していれば、セーフハーバーに 該当する可能性がより大きくなる
§ しかし、使用が、目的製品を発見するための試行にとどまるとき は、セーフハーバーの適用対象とはならないだろう
– 細胞治療の場合の指針とするには困難 – どの時点で「目的製品(lead product)」が存在したのか?
新薬承認後に関するセーフハーバー判例
§ Classen Immunotherapies, Inc. v. Biogen Idec, 659 F.3d 1057 (Fed. Cir. 2011).
– 免疫化のスケジュールの効果を分析
– セーフハーバー抗弁を排斥:第271(e)(1)条は、「市販承認が得られたはるか後になって、
FDAに定期的に報告される情報」を収集するための行為を適用除外していない。」
§ Momenta Pharmaceuticals, Inc. v. Amphastar Pharmaceuticals, Inc. (Fed. Cir. 2012) (“Momenta I”)
– 商業用生産バッチの純度試験で使用
– セーフハーバー抗弁の適用:第271(e)(1)条は、新薬承認後の「FDAの承認を維持するために必要な情報提出」には、適用されない。」
– 試験はFDAの個別的な要求事項を満たすために実施された
§ Classen Immunotherapies, Inc. v. Elan Pharmaceuticals, Inc. (Fed. Cir. 2015)
– FDAに提出するための市販医薬品に関するデータの解析、当該医薬品の新たな適応の特定、適応追加申請(supplemental NDA) を行うため。
– FDAに提出する目的で、第三者の特許を実施する新薬承認申請者にセーフハーバー条項を適用。
– 「Elanの治験およびそのFDA提出」は、当該保護の十分な範囲とされた。Elanは、製品の添付文書を変更するためにFDAに提出する情報を開発しており、裁判所はこれを、「日常的活動」以外の何物でもないと認定した。
§ Momenta v. Amphastar, 809 F.3d 620 (Fed. Cir. 2015) (“Momenta II”)
– Momenta I 判決にかかわらず、商業用生産バッチの純度の試験は日常的活動。
– セーフハーバー条項の適用を否定:新薬承認後試験がセーフハーバーの範囲とされる可能性のある一方で、Amphastarの品質管理用アッセイは、生産工程の日常的な一部であって、FDA承認に関係しなていなかった。
§ 第271(g)条は、米国の製法特許を利用して製造された製品の米国内への輸入を、次に該当する場合をのぞいて、禁止している
– (1) それが、後の工程で大幅に変更されている場合、または
– (2) それが、他の製品の些末で非本質的な構成要素になっている場合
§ 細胞株を作成する特許が発行される前に、製法が利用された場合には、責任問題は生ぜず、特許が発行された後の輸入に続いて、無制限に繁殖させることができる(Mycogen v. Monsanto)
§ 製品が「大幅に変更」されている場合には、責任を負わない:
– 細胞治療では、特殊な問題が生じる
– 特許が分化細胞を作成する製法を包含しているが、最終製品は、ヒトに移植するための、分化細胞を含むカプセル化された送達システムである場合には、当該細胞は、カプセル化された送達システムによって大幅に変更されたことになるか?
§ また、「情報」を輸入しても、責任を負わない(Bayer v. Housey)
– 化合物を同定するためのスクリーニング・プロセス
– 情報(有望な化合物の構造)だけが輸入されたのであり、第271(g)条の意味での物理的な「製品」とは見なされない
示唆される点
§ 特許の成立していない法域でサービスを見つけて、リサーチで得られた情報を米国に輸入することはできるかもしれない
§ 米国外でマテリアルを供給または生産し、米国外の顧客に供給して、その顧客が、米国に輸入する前に、最終製品として大幅に変更する ことができるかもしれない
– 例:米国特許が、ある分化方法を使用してiPS細胞から心臓細胞を作成する方法を包含している場合に、対応する特許が存在していない米国外で実施され、顧客が、それらを「大幅に変更」する、完成した細胞をパッキングする特殊な送達技術を保有している場合には、米国に逆輸入することは可能かもしれない
特許消尽(exhaustion)とライセンス許諾に当たっての検討点
§ 細胞株や生体組織についての根本的な問題は、限定なしの販売が行われているかである – 限定のない場合には、継続して「子孫(「progeny」)を利用することは、侵害に当たらない可能性がある
§ Monsanto Co. v. Scruggs, 459 F.3d 1328, 1334 (Fed. Cir. 2006)
– Monsantoは、同社の遺伝子組み換え種子をScruggsesに販売していなかったことから、そして同社が実施許諾した生産者に、このような販売を承認していなかったことから、購入された種子、それらの種子から生育した穀物と、それらの穀物から取得された種子の両者すべてが、同社の特許の侵害を構成した
– 限定された/条件付きの販売の場合には、消尽(exhaustion)は起きない
特許消尽(exhaustion) & ライセンス許諾
§ 特許権者の視点から最も安全な対処方法は、ライセンシーが行ってはならない行為についての明示的な禁止規定を、契約書の中に設けておくことである
– 例えば、 以外のいかなる目的での細胞株の使用禁止、備蓄の禁止、 施設からの輸出の禁止、等。
§ 逆から言えば、細胞株/バイオロジカル・マテリアルのライセンス許諾を行う前に、ライセンシーは、消尽(exhaustion)の可能性を分析しておくべきであるクリスパー(CRISPR)のライセンス許諾を受けての実施(ヒト治療)
§ 筋ジストロフィー(Sarepta)
§ キメラ抗原受容体(CAR)発現-遺伝子改変T細胞がん治療(Mustang Bio, Novartis)
§ 髄質囊胞性疾患(Juno)
§ 鎌状赤血球症および嚢胞性線維症(Vertex)
§ 自己免疫症治療(San Rafaele University and Research Hospital)
§ ゲノム編集制御性T細胞治療(Seattle Children’s Research Hospital)
§ 血液障害、失明、および先天性心疾患(CRISPR TherapeuticsとBayerのジョイントベンチャー(“Casebia”))
§ 眼疾患(Allergan)
§ 肝遺伝子治療(Regeneron)
§ 肝疾患(CureVac AG)
クリスパー(CRISPR)のライセンス許諾を受けての実施(農業)
§ Monsanto、Syngenta、BASF、JR Simplot、Yield 10 Bioscience、Dupont、Donald Danforth Plant Science Center、Bayer、Evolva
デジタルバイオマーカーとは何か?
§ 医療データを記録するためのウェアラブル技術と携帯電話用のアプリは、患者レベルでの医療の提供を急速に変貌させている
§ 「デジタルバイオマーカーは、接続されたデジタルツールを通じて収集される、消費者が生成する生理学的および行動に関する測定手段であって、健康に関連するアウトカムを説明、影響および/または予測するのに使用できる。」 https://rockhealth.com/reports/the-emerging-influence- of-digital-biomarkers-on-healthcare/
§ デジタルバイオマーカーの診断目的での使用は、適格性の問題に直面するが、デジタルバイオマーカーを使用して新しいまたは異なった治
療アウトカムを達成する方法は、米国では、より容易に特許を取得できる
デジタルバイオマーカー:ケーススタディ - WO2018050746A1
§ クレーム審査中(米国では未審査):
§ 診断:
– 1. 対象者の進行型多発性硬化症(MS)を同定する方法であって、a) モバイル機器を使用して当該対象者から取得される活動測定値のデータセットから決定される、少なくとも一つの成績パラメーターを決定し、およびb) 決定結果を、少なくとも一つの成績パラメーターを参照値として比較するステップから構成され、そ れによって対象者の進行型多MS発性が同定されるもの。
§ 治療:
– 16. 進行型MSに対する治療の有効性を決定する方法であって、クレーム第1項から第13項の何れかの方法のステップと、治療後の対象者に進行型MSの改善が生じたかという治療反応を決定するか、または治療後対象者に進行型MSの悪化が生じたか、もしくは進行型MSが変わらなかったの失敗反応を決定するさらなるステップから構成されるもの。対象者の進行型MSを監視する方法であって、事前に定義された監視期間内に、クレーム第1項から第13項の何れかの方法を、少なくとも二回実施することにより、対象者の進行型MSが改善したか、悪化したか、または変化がなかったかを決定することから構成されるもの。